決算シーズンで稼ぐ:米決算データから“買い”を見つける3つの数値トリガー
決算発表は株価が短期的に大きく動く機会です。
本稿では「実務で使える」「コピペで運用できる」3つの数値トリガーと、それを使ったスクリーニング条件、具体的なエントリー・利確・損切りルールを提示します。
四半期決算の読み方や実例は当サイト内の決算分析カテゴリも参考にしてください。
結論(先出し)
決算で“買い”を検討すべき主要な数値トリガーは次の3つです。
- トリガー①:EPSと売上の同時上振れ+ガイダンス上方修正(短期アルファ)
- トリガー②:フリーキャッシュフロー(FCF)マージンの大幅改善(中長期の価値発見)
- トリガー③:アナリストのフォワードEPSコンセンサスが決算直後に明確に上方修正されること(市場期待の巻き戻し)
以降は各トリガーの論理、具体的数値条件、実務での使い方、スクリーニングテンプレ、銘柄チェックリスト、リスク管理まで一通り提示します。
前提:決算で「株が動く」メカニズム
企業の決算発表が株価に与える影響は三段階です。
1)発表当日:市場はサプライズ(EPS・売上)に反応する。
2)ガイダンス確認:会社の見通し(翌四半期・通期)が変更されれば、期待が即座に再評価される。
3)アナリストと投資家の期待修正:IRや決算説明会、アナリストレポートの修正が来ると中期見通しが変わる。
この流れを踏まえて短期から中長期のトレード戦略を設計します。
トリガー①:EPSと売上の同時上振れ+ガイダンス上方修正
理屈:EPSや売上の実績がコンセンサスを上回り、かつ経営陣が次期ガイダンスを引き上げる場合は、成長期待と収益性の両面で期待が高まるため短期的な株価上昇が発生しやすいです。
具体的数値条件です。
- EPS surprise > +5%(実績EPS / コンセンサスEPS − 1 > 0.05)
- Revenue surprise > +3%(実績売上 / コンセンサス売上 − 1 > 0.03)
- 経営陣が翌四半期または通期ガイダンスを上方修正(売上ガイダンス or EPSガイダンスの上方修正)
実務運用:これら3条件を同時に満たした銘柄を短期売買候補として自動抽出します。
初動は出来高増と価格反応の“持続性”で見極めます。
エントリーと利確のテンプレ(短期トレード)
| ステップ | ルール(コピペ可) |
|---|---|
| 参入条件 | 決算当日、上記3条件を満たし、当日の出来高が前20営業日の平均出来高の2倍以上であること |
| 初期ポジション | 資金の2〜4%で参入(リスク分散のために分割でエントリー) |
| 初期ストップ | エントリー価格−4%に逆指値(銘柄ボラに応じ調整) |
| 利確 | +8%到達で25%利確、+15%で残り利確。第二段階到達後はトレーリング−6%で保持。 |
トリガー②:フリーキャッシュフロー(FCF)マージンの大幅改善
理屈:会計上のEPSは時にノイズに左右されますが、営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローは企業の実質的なキャッシュ創出力を示します。
FCFが改善している企業は配当・自社株買い・M&A余地が広がり、中長期のバリュエーション改善につながります。
具体的数値条件です。
- 四半期FCFマージン(FCF / 売上) > 前年同期比 + 200bp(2ポイント)以上の改善
- TTM(直近12か月)FCFイールド > 4%(FCF / 時価総額)を目安(セクターによって門限調整)
実務運用:FCF改善は決算資料のキャッシュフロー計算書に出ます。
四半期で大きく改善している場合は中長期のコア保有候補に格上げします。
スクリーニング例(FCF基準)
FinvizやBloomberg、TradeStationなどに次のフィルターを入れて候補株を抽出します。
- 売上成長率(TTM) > 5% かつ FCFイールド(TTM) > 4% かつ FCFマージンYoY改善 > +2ppt
トリガー③:アナリストのフォワードEPSコンセンサスが決算直後に上方修正されること
理屈:市場は未来の期待の集合体です。
決算後のアナリスト改定が複数社で上方修正されると、フォワードEPSが上がりPERの未来分母が改善します。
具体的数値条件(コピペ可)です。
- 決算発表から72時間以内にフォワード(次期四半期または通期)EPSコンセンサスが+3%以上上方修正されること
- アナリストアップグレード数 − ダウングレード数 ≥ +2(複数の主要ブローカーで上方修正が出ること)
実務運用:多くの情報端末でコンセンサス推移が見られます。
決算後72時間でのコンセンサス追跡を自動化し、上方修正シグナルが出たらサテライトで買い増すなどのルールを設定します。
合成シグナル:3トリガーの組合せで勝率アップ
単一トリガーだけでも有効ですが、3つのうち2つ以上を満たす場合は勝率が上がる傾向があります。
実務の優先順位は「①EPS+ガイダンス」「③アナリスト改定」「②FCF改善」の順に短期リターンが期待できます。
実務チェックリスト(決算前・決算直後の業務フロー)
| タイミング | やること(具体的) |
|---|---|
| 決算前3営業日 | 対象銘柄のコンセンサス(EPS, 売上)、直近のFCF、信用残、ショート比率を確認する |
| 決算発表直後(0〜6時間) | EPS/Revenue surprise、ガイダンスの有無、Management commentを即時チェックする |
| 発表後72時間 | アナリストコンセンサスの変化、Up/downレーティング数、出来高とポジション変化を確認する |
| 翌日以降(1週間) | 決算説明会(webcast)を確認して質疑応答での材料を検討し、中長期保有の可否を判断する |
スクリーニングテンプレ
(A)短期トレード用:
- EPS surprise > +5%
- Revenue surprise > +3%
- 当日出来高 > 20日平均×2
(B)中長期買い:
- TTM FCFイールド > 4% かつ FCFマージンYoY改善 > +2ppt
- コンセンサス上方修正(決算後72時間)+3%以上
具体的銘柄の探し方と実例(参考)
実務では業種別の決算バイアスを考慮します。
例えばテクノロジーはEPS/Revenue surpriseのボラが大きく、金融は金利動向でEPSが左右され、消費財はガイダンスの保守性が高い傾向があります。
当サイトの決算分析記事や銘柄別解説を参照し、セクター特性を組み合わせて候補を絞ると効率的です。
リスク管理:やってはいけないことと守るべきルール
- 決算サプライズだけでフルポジションを取らない。短期は必ず分割エントリーをする。
- 決算後の上下振れが激しい銘柄は初動で利益確定を行い、保有は検証後に判断する。
- インサイダーや未公表材料の近接する銘柄は法的リスクがあるため手を出さない。
- 税務(配当・譲渡益)や口座制限も事前確認する。日本居住者の税務扱いは複雑なので税理士と相談する。
バックテスト設計のヒント(実務で検証する方法)
過去5年分の決算データで上記トリガーを条件にバックテストを行うと有意な期待値が出るか検証できます。
評価指標は勝率、平均リターン、最大ドローダウン、シャープレシオを使います。
バックテストは四半期毎にリバランスするルールで検証すると実運用に近い結果が得られます。
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よくあるQ&A(短く実務回答)
Q:決算サプライズだけで持ち続けて良いですか?
A:いいえ。短期のサプライズは市場が織り込むのが早いため、初動で一部利確し、ファンダメンタルに裏付けがあれば中長期で残す方針が安全です。
Q:どの情報端末が使いやすいですか?
A:迅速なコンセンサス比較と出来高確認ができる端末(Bloomberg/Refinitiv/TradingView等)を推奨します。
まとめ:実務で使える3つの数値トリガー
- EPS & 売上の同時上振れ+ガイダンス上方修正で短期アルファを狙う。
- FCFマージンの大幅改善は中長期の価値発見シグナル。
- 決算後72時間でのアナリストコンセンサス上方修正は買い増しトリガー。
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