クォンツ分析で見る米国株の買い場:出来高・オプションフローで資金流入を先読みする方法

イントロダクション:なぜ出来高とオプションフローなのか

出来高は市場参加者の「現実の足跡」です。
オプションフローはプロのポジショニングとセンチメントを早期に示します。
これらを組み合わせることで、資金の入り口と出口をより早く捉えられます。

1.主要指標と定義(クォンツで使うファクター)

  • 出来高スパイク:当日またはプレマーケットの出来高が過去30日比で一定倍率(例:+200%)を超えること。
  • VWAP乖離:短期VWAPに対する価格の乖離率。
    上昇トレンドの継続を確認するのに使います。
  • オプション大口フロー:当該銘柄のコール/プット買いの枚数比やドル建てフローが直近平均を上回ること。
  • IV(インプライドボラティリティ)の急変:IVが急低下する場合は買い圧力、IV急上昇はヘッジ需要増の可能性が高いです。
  • book-to-bill・受注残指標:半導体や装置関連では受注比率が1を超えると短期で強い買い材料になります。
  • ETF資金流入:SMHやSOXXなどセクターETFへの資金流入は個別銘柄の資金流入を先行する場合があります。

2.複合シグナルの作り方(アルゴリズムの骨子)

複合シグナルは単一指標のノイズを消すために作ります。
以下は実務で使える基本ルールです。
シグナル発生条件:
1)当日のPTSまたはプレマーケットで出来高が30日平均の2倍以上であること。
2)寄り付きから30分以内に価格がVWAPを上回り、その後5分足でVWAP乖離が拡大していること。
3)オプションフローで当日のコールフローが過去30日平均を上回ること。
4)IVが同業群の中央値より低下している、またはIVが安定していること。
5)業界特有のファンダ(例:受注公表、book-to-bill改善、クラウド大口受注)が直近ニュースで確認できること。

3.具体的なルール(スクリーンコードに落とせる条件)

下は実務でアルゴリズムに組み込める擬似条件です。
各条件はストラテジーに合わせ数値は最適化してください。
1. 当日プレマーケット出来高 > 過去30日平均出来高 × 2。
2. 直近30分のVWAP乖離 > +0.8%。
3. 当日コールフロー(ドルベース) > 過去30日平均コールフロー × 1.5。
4. IV30日が前日比で-3%以上低下しているか、IVが同業中央値以下であること。
5. ニュースフィルタ:過去48時間に「受注」「backlog」「大型契約」などのキーワードを含むIRやプレスリリースがあること。

4.サンプル銘柄とクォンツ観点でのチェックポイント

ここでは実在銘柄を例に、クォンツで確認すべきポイントを示します。
NVIDIA(NVDA)
チェックポイント:データセンター売上の急拡大、オプションでの大口コールフロー、寄り前出来高スパイク。
AMD(AMD)
チェックポイント:サーバー受注や大手クラウド採用、VWAP上の持続的なトレンド。
Applied Materials(AMAT)
チェックポイント:受注残・book-to-billの改善IR、出来高とオプションの連動。
Equinix(EQIX)
チェックポイント:コロケーションの大口契約、公表によるPTS出来高の変化。

5.トレードテンプレ

銘柄エントリー条件利確損切り
NVDAプレマーケット出来高が2倍、寄り付き後30分でVWAP乖離>+1%、当日コールフローが過去30日平均×1.8部分利確+8%、残りはトレーリング+6%初期-5%、VWAP割れで撤退
AMATIRで受注残増を確認、PTSで出来高急増、オプションでコール買いが観測段階利確で+6%、+12%-4%で一部損切り、-9%で全撤退
EQIX大口コロケーション契約公表により寄り付きで出来高スパイク中期保有で年内トレンドを確認して利確契約取消や業績悪化で売却

6.バックテストと注意点(データ設計)

バックテストではスリッページ、手数料、出来高の制約を必ず組み込みます。
特にPTSやプレマーケットのデータは遅延や欠損が多いのでデータクレンジングが必須です。
オプションフローは流動性の低い銘柄で誤検知しやすいので、ドル建て流入閾値を用いてノイズを取り除きます。
マルチファクターモデルでは因子の共分散に注意し、過剰最適化を避けるためクロスバリデーションを必ず行います。

7.リスク管理と実運用ルール

  • ポジションサイズはボラティリティ・スケーリングを採用して分散します。
  • 単一銘柄はポートフォリオの2〜4%上限で運用します。
  • ニュース系イベント(決算・IR)はルールでトリガーし、イベント前はボラティリティが上がるためポジションを縮小します。
  • オプションヘッジはプット購入やプットスプレッドで実装します。
  • 定期的に因子の有効性を検証し、相場構造が変わったら因子の閾値をチューニングします。

8.実務で使うデータソースとツール

  • 取引所のティックデータ、プレマーケット/PTSの出来高データ。
  • オプションフロー配信サービス(TCAやOptions Flowツール)。
  • ニュースAPIとIRスクレイピングでファンダメンタルイベントのトリガーを取得します。
  • ETF資金流入データで市場の資金循環を監視します。

9.ケーススタディ:受注IR+オプションフローで急騰した例

ケース概要:ある半導体装置メーカーが大口受注を公表した。
寄り前にPTS出来高が急増し、オプション市場では大量のコール買いが記録された。
寄り付きからVWAP上での強い推移が確認され、5分足でも買いが継続したため順張りでエントリーした。
結果は短期で+12%の上昇となり、部分利確でリスクを縮小しながら利益を確定できた事例です。

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11.実務チェックリスト(デイリーワークフロー)

  1. プレマーケットの出来高スキャンを行う。
  2. 当日のオプションフロー速報をチェックして大口コールを抽出する。
  3. VWAP乖離と短期トレンドの整合性を確認する。
  4. ニュースフィルタで受注・契約・決算のトリガーを検出する。
  5. バックテスト結果と現在の因子有効性を週単位で検証する。

12.まとめと次の一手

まとめ:出来高とオプションフローは資金の流れを先読みする強力な手段です。
ただし単体指標では偽シグナルが多いため、VWAP乖離やIV、ファンダの確認を組み合わせるルール化が必須です。
実務ではデータ品質、スリッページ、手数料を考慮したバックテストと継続的な因子検証を行ってください。

免責事項

本記事は情報提供を目的とするものであり、投資助言ではありません。
投資判断はご自身の責任で行ってください。

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